2月の鶴見de古楽では、好評を博した2021スペイン以来、イタリア、フランス、そして北西ヨーロッパを巡った紀行が、いよいよイギリスとその周縁を訪ね歩く音楽旅に出かけます。海峡で大陸と隔てられたイギリスでは、ルネサンスからバロック初期にかけ、ヴィオラ・ダ・ガンバによるコンソートやティヴィジョン音楽など変奏曲形式の音楽が大いに栄え、発展しましたが、名誉革命以降の混乱を通じ、音楽家は生存環境が一変する困難な時代を経験しました。その後、亡命先フランスで、その音楽文化に強い影響を受けたチャールズ二世が王政復古により就任すると、大陸から伝えられたソナタ構成の楽曲やオペラなどが盛んに作曲されるようになり、これらの混乱を乗り越え活躍したロックやパーセルらがイギリスのバロック音楽の頂きを求めて市の才能を開花させます。今回はルネサンスから初期、そして盛期バロックを代表する音楽家たちとその周縁地域の音楽の広がりを巡り、大陸にはない独特な感性と才気あふれる音楽の調べを味わって頂きます。