
ヴィオラ・ダ・ガンバ2台が寄り添い奏で合う響きは、ときに競い合いときに溶け合い、ソロやコンソートとも異なる味わい深い音空間の広がりを届けてくれます。ガンバを愛好するバロック時代の音楽家たちも、この組み合わせの魅力に惹かれ、独特な感興が漂う楽曲を残してくれました。今回は、このガンバ・デュオの魅力を奥行き豊かに再現してくれたドイツ・ネーデルランドの音楽家たちの楽曲を中心に、田中孝子さんと加藤久志さんの同郷名手のお二人の演奏で、通奏低音も伴う表情も織り交ぜ、滋味豊かな魅力を味わって頂きます。また、フランス様式に惹かれつつ、ドイツが育んだ香りを伝えるようなフィッシャーのチェンバロ・ソロ組曲の犯し難い品格もお楽しみに。