
「出演者より」 ~ 田園への憧憬 ~
「うちにおいでよ、嫁になってよ / そして残らず試そうよ / 丘や渓谷、谷間や野原、/ 森、はたまた峰の織りなす楽しみを」(C.マーロウ『羊飼いの熱い恋歌』より)
田園の景色は、都会に住む人々に特別な感情を抱かせます。西洋においてそれは「楽しい祭り」「恋の戯れ」「春、初夏」あるいは一種の「異国」を想起させるものでした。田園を象徴する素材として、画家は家畜と牧童、小麦畑や葡萄棚などを画布に描き、音楽家はミュゼット(ふいご式のバグパイプ)やハーディーガーディー、タンブーラン(太鼓の一種)の響き、鳥の鳴き声などを擬えて、その美しさを表現したのです。